前回までのお話。
私たち日本人が健康を保つためには、
陰陽調和のとれた「中庸」のものを食べることが大切です。
「重ね煮健康料理」では、4つの指針を大切にしています。
1.食性(しょくせい)
2.一物全体食(いちぶつぜんたいしょく)
3.身土不二(しんどふじ)
4.穀菜魚食(こくさいぎょしょく)
一つめの「食性」について。
「食性」とは、本来ヒトとして食べるべき物を最適なバランスでいただくこと。
私たち生き物の歯には、
長年にわたる食の歴史が刻まれています。
歯の構造を見ると
「何を食べるべきなのか」そして「何を食べてきたのか」が分かります。
例えば
肉食動物のライオンやチーターは
獲物の固い骨を砕き、肉をかみちぎるため
するどい「犬歯」が発達しています。
草食動物の牛や馬は
顎が左右に自由に動き、
草をすりつぶして食べられるように
臼のような形をした「臼歯」が発達しています。
では、私たちヒトの口の中はどうなっていますか?
ヒトは、犬歯、臼歯、切歯を兼ね揃えています。
つまり雑食動物です。
それぞれの歯の役割は異なります。
20本の臼歯で米、大豆の穀物をすりつぶす
8本の切歯で野菜、海草類をかみ切る
4本の犬歯で魚、肉をかみちぎる
20:8:4すなわち
穀物:野菜 海草類:魚 肉を5:2:1の割合。
それがヒトという「種の生理」と調和した食べ方なのです。
「食性」に従って食べることで、ヒトとして本来備わっている
最大限の力を発揮することができるのです。