重ね煮コラム

非常時に役立つ食の知恵「生命を繋ぐ防災食」

これまで未経験の最大規模と言われた台風19号が去りました。

予想通りの降水量の影響により千曲川、多摩川などの河川の氾濫が相次ぎ、被害の大きさに胸を痛めつつ、少しでも早い回復を祈るばかりです。

今回のような未曾有と言われる大規模台風、未経験なことは誰でも恐ろしいもの。備えと心構えがあれば落ち着いて対処することができます。そのために整えておきたいのは、食の確保と住環境の維持です。

特別な物を買わずとも家庭で行える非常時に役立つ食の知恵をお伝えします。

生命を繋ぐ食の3要素

私たちの生命を繋ぐために大切な3要素は水・塩・穀物です。

脱水症状に陥れば数日間で、体内から塩分が奪われれば体温の低下や意識障害など瞬時に生命の危険に脅かされます。熱中症を想像すればお分かりですね。

そして穀物。植物の中で最も高等と言われる穀物は種子を食べるもの。完全栄養と言われる穀物は私たちの身体を作るため、生命活動を維持するための栄養素をしっかり含んでいます。

以上の理由から、私たちがもしもの非常時に確保しておきたい食べ物は、水、塩、穀物なのです。次にそれぞれの要素についてひとつずつお伝えしていきます。

水の確保

今回の台風ではスーパーのレジには水のペットボトルを箱で買う人が多く見られました。長期に渡る場合には必要かもしれませんが、家で水を貯め置くことができます。

・お風呂の水をはっておく
・鍋に水を貯めておく
・夏場にお茶を入れていた容器に水を入れておく など。

その他、我が家では20リットルの水タンクが重宝しています。災害時に使用する機会はありがたいことにまだないのですが、蛇口がついているこの水タンク、いざという時には料理、手洗い、トイレに使えるので優れものです。ペットボトルを箱買いしても2リットル×6本で12リットル、と考えると、水タンクは1,000円前後の価格で折り畳み可能なタイプもありますので、備えておくと安心材料のひとつとなりますね。

塩の確保

塩とは塩分のこと。ミネラルを含む塩が身体の生命活動を維持してくれます。

そういう意味では、食べられる塩として梅干し、味噌を常備しておきたいものです。これらは常温保存もできる保存食。おにぎりの具にしたり、表面に塗ったりすれば立派な食事になります。

穀物の確保

私たちが持っている宝物であり、生命維持の基本の食物は穀物、つまりお米です。米こそ最高の保存食、おかゆや炒飯、炊き込みごはんなど手に入る食材と合わせることでバリエーションが豊富に広がるどんな食材とも相性の合う食物です。

カップ麺や菓子パンは数日で飽きても、毎日食べて飽きが来ないのも良いところですね。

停電時、「炊飯器でごはんが炊けない」と心配な方のために、ガスボンベの節約も可能なガスコンロでの炊飯をご紹介しますね。

【ガスコンロでの炊飯方法】
1.米の重量の1.1~1.2倍の水に30分以上浸水しておく。
米1カップ(180cc)に対して、水1カップ(200cc)で大丈夫。

2.フタをして中火にかけて、湯気が出たら弱火にして3分維持。

3.火からおろしてバスタオルをぐるぐる巻いて、電子レンジがあれば入れる。(保温性を高めるため)*重ね煮コゼーがある方は重ね煮コゼーへ入れてくださいね。

乾物も活用できる最高の保存食

とはいっても、米と味噌、梅干しだけでは不安ですよね。

そんな時には乾物を持っておくと役立ちます。特に、切り干し大根、ひじきがおすすめ。野菜と合わせて調理することで繊維やミネラル、ビタミンをしっかり補えます。

断水になりそうな時には、予め水で戻しておくと、戻し汁と共にカセットコンロで調理可能です。その場合にもバスタオルや重ね煮コゼーを使用すると、ガスボンベの節約になりますよ。また、重ね煮は最高に節水な調理法です。ぜひ重ね煮で作ってみてください。

これがあれば安心!のごはんと味噌汁

最後にガスコンロひとつで作れて、余っている野菜で手軽においしく作れるだしいらずの重ね煮味噌汁をご紹介します。重ねる順番を守れば、だしがなくともおいしくできる、さらには火の通りも早いのでガスボンベの節約にもなるのです。災害時には、グラムは計らなくとも、そこそこにおいしくなりますので大丈夫です。

ごはんと味噌汁、乾物の煮物があれば、生命も繋げて身体も整うという一石二鳥の災害食になりますね。

秋の重ね煮味噌汁
 
 
【材料と作り方】
--------〇---------
味噌   60g
油揚げ  1/2枚…細切り
ごぼう  20g…ささがき
人参   25g…いちょう切り
たまねぎ 60g…うす切り
さつまいも 80g…半月切り
きのこ  60g…ほぐす
--------------------
水   3カップ
ねぎ  1本…小口切り
 
1.鍋に図の順に材料を重ね、ひたひたの水を加えてフタをして中火にかける。
2.湯気が出たら弱火にし、野菜がやわらかくなれば、残りの水を加えて味をととのえる。
3.器に盛り、ねぎを散らす。
☆さつまいもはかぼちゃやじゃがいもに置きかえてもおいしくできます^^

生きる知恵が未来を作る

台風19号による警戒が叫ばれる中、スーパーの商品棚で品薄になったのは、菓子パンとカップ麺でした。私が見たスーパーでは、乾物は豊富にあり、米、味噌もしっかりありました。

菓子パンやカップ麺は一時的な空腹しのぎにはなっても、数日続くと飽きも来ますし、身体の不調を起こしやすくなります。そしてゴミが出ます!ゴミを燃やすと地球の温暖化が進みます!台風の一因ですよね。

また、台風は大型低気圧。気候の変化の影響を受けやすい私たちの身体は頭痛やめまい、ぜんそくなどの不調を起こしやすくもなります。そんな時こそ簡易的なインスタント食品よりも身体を整える非常食を選びたいものです。

私たちの行動が子ども達へと繋がる地球の未来を作っているといっても過言ではありません。

地球と共に、自然と共に、共存していく方法がここにありますし、家庭でも伝えていける生きる知恵です。

 

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この記事を書いた人
田島恵 重ね煮料理研究家/重ね煮アカデミー®代表

田島 恵
重ね煮料理研究家 / 重ね煮アカデミー®代表

鎌倉の重ね煮アカデミー®にて、野菜嫌いのお子さんやアレルギーのお子さんをお持ちのママ、料理が苦手なママに心身のバランスを整えるための知恵とレシピをお届けしています。

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