今や2人に1人は何らかのアレルギーを持っていると言われています。
そんな中、20年ほど前から出始め年々増加傾向にあるのが果物アレルギー。
厚生労働省の「アレルギー原因食品調査」によると、20歳から40歳の世代において果物は第3位となっています。小さい時はそうでもなかったのに学童期から発症した、中学生くらいから発症した、というケースが多いことを示しています。
また、果物アレルギーと花粉症の深い関係も指摘されています。
アナフィラキシーなどの重篤なアレルギー症状を起こす可能性もある果物アレルギー、その原因と対策について書いています。
果物アレルギーの症状と起こしやすい果物
桃を食べると口の中がイガイガする、りんご、いちごやさくらんぼでも同じような症状が、、、というように喉や舌、唇などの口腔内に現れることが多いのが果物アレルギー。ひどい場合は呼吸困難に至ることもあります。
種類としては、りんご、いちご、さくらんぼ、梨などバラ科の果物、または、マンゴーやキウイなどのウルシ科の果物が起こしやすくなります。
果物アレルギーの原因と対策
果物アレルギーと花粉症の深い関係についても指摘されていますが、これは果物と花粉のタンパク質組成が似ているためです。花粉症の方は同時に果物アレルギーを持っていることが多いです。
では、どのような対策をすればいいでしょうか?
血液検査や皮膚検査でアレルギー反応を起こす果物を特定して、それ以外の果物を食べるようにする?
重篤なアレルギー症状を避けるためにもアレルギー反応を起こす果物を知っておくことは必要かもしれません。ですが、これは根本的な解決とはなりません。むしろ、食べる果物が偏るため、検査でアレルギーの出なかった他の果物に対してもアレルギー症状を起こす可能性も出てきます。
果物の食べ方と腸の関係
アレルギーは免疫反応。つまり、腸の環境と大きな繋がりがあります。
果物に対してアレルギー反応が起きるのは個人差はあるものの、これまで食べてきた果物の量が消化能力を上回ってしまったせいです。
そして、日本の果物は糖度表示が当たり前、というくらい昔に比べて甘くなっています。果物に多く含まれる果糖は、体内で消化分解しきれないと腸内で発酵し、腸内環境に悪い影響を与えてしまいます。
その結果、果物アレルギーだけでなく、花粉症や便秘、下痢、風邪を引きやすいなど腸が司る免疫機能の低下を引き起こします。
果物は生よりも加熱が安全
ビタミンCが豊富と言われる果物ですが、果糖も多いということを忘れずに。そしてマンゴーやバナナなどの南国の果物ほど身体を冷やします。
また、果物の食べ方を変えるとアレルギー症状は軽減します。果物のアレルゲンは熱に弱いため、生で食べるよりも、火を通すことをおすすめします。特に胃腸が未成熟な小さいお子さんには、煮りんごやコンポートというように加熱したものを食べさせるのが安心です。
どんなに身体に良いと言われるものも
「適量」が大切。摂り過ぎは毒になる。
ここ数年、酵素、コールドプレスジュースやスムージーが流行ったことから急激に果物消費が増えたことも果物アレルギー増加の背景にあると思われます。
野菜嫌いのお子さんのため、ビタミンを補うために、ミックス野菜ジュースやスムージーの形で摂るのは要注意!
果物は毎日必ず食べなければならないものではありません。おやつや楽しみとして、甘すぎない季節の果物を適量いただくことをおすすめします。