こんにちは。
「台所は家庭の薬箱」
重ね煮アカデミー 田島恵です。
重ね煮調理において、大切なことは次の3つ。
1.野菜を重ねる順番
→陰性野菜を下、陽性野菜を上
2.野菜の分量
→しっかり計る
3.火加減
です。
今日は1について。
「野菜を重ねる順番が違うと味も変わる?」
を、重ね煮味噌汁において検証してみました。
陰と陽を逆に重ねる
これは、重ね煮アカデミーのレッスンに組み込んでいる検証実験です。
準備したのは、同じ大きさの鍋、同じ量の食材、味噌の種類も同じです。
A(写真右)
陰を下 陽を上
-------〇-------
味噌
ごぼう
人参
玉ねぎ
じゃがいも
キャベツ
わかめ
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いつも通りの重ね方です。
B(写真左)
陽を下 陰を上
陰陽を逆にしています。
--------〇--------
わかめ
キャベツ
じゃがいも
玉ねぎ
人参
ごぼう
味噌
------------------
味噌が一番下!
これだけでも大きな違和感です。
生徒さんに2グループに分かれて作っていただきました。
重ねて同じ分量の水を入れて、フタをして火にかけます。
湯気が出たら、香り比べ。
その後、野菜が煮えたら、汁の飲み比べと香り比べ、そして味噌汁の食べ比べ。
「分かるかなあ?」と、不安げな生徒さんたちも、AとBの重ね煮味噌汁の想像以上の大きな違いに驚いていました。
調和の香りはふんわり甘い
A
陰→陽の順に重ねた味噌汁
B
陽→陰の順に重ねた味噌汁
AとBでは、湯気が出た時点で香りが違います。
Aは味噌と野菜がとけあったあまい香り。
Bは少し酸味がある香り。上にのっているキャベツやワカメの香りが強く感じます。
香りの強さもAの方が強く、Bは近づいて香りを感じる程度です。
調和の味はまるく深い
野菜がやわらかく煮えてから、汁の飲み比べと実食です。
「全然違う!」
生徒さんから驚きの声が上がりました。
私も何度やっても感動するところです。
A
陰→陽の順に重ねた味噌汁
B
陽→陰の順に重ねた味噌汁
Aはひと口飲んで、「おいしい!」とほっとする、ふんわり広がるまるい味。
Bはおいしくなくはない。食べられます。ですが、甘みと香りがなく、とがりを感じる味。
それぞれの野菜を食べ比べしました。
以下生徒さんからの声です。
A
いつも通り、色あざやかでおいしい。
野菜がまるくなった味。
B
じゃがいもの皮が取れている。
じゃがいものアクを感じる。
ごぼうのアクを感じる。
キャベツやわかめの香りが強い。
ひとつひとつの野菜の味がバラバラに突出している。
じゃがいもの皮をむきたくなるし、アクを取りたくなる。
だしが欲しくなる。
そして最後に
「陰陽調和はスゴイねー。」
こう言うと、Bのお味噌汁が全くおいしくないように感じるかもしれませんが、まずくはありません。ですが、Aと比較するとまるっきり別物で、普段、調和された重ね煮味噌汁を飲んでいる方なら、確実に言い当てられるほどの違いがあるのです。
1⁺1+1+.......=∞になる
陰陽調和の重ね煮
陰から陽へと重ねた味噌汁はアク抜きしなくとも、皮をむかずとも、アクや皮が旨みや甘み、香りとなっておいしくできあがる。
それが、鍋の中で起きている陰の上向きの力と陽の下向きの力が作用し合う、らせん対流によって引き起こされているのです。
具沢山だからおいしいわけではなく、陰から陽へ重ねるからふくよかなまるい味わいが引き出される。そして、重ねた食材を足したものでなく、お互いのクセを打ち消し、香りや味のいい部分をより引き出してくれる。
つまり、デコボコと突出した部分をまるっとなめらかに仕上げてくれるのです。
だから、
野菜嫌いの子どもが重ね煮味噌汁なら食べられた。
ナス嫌いの子が重ね煮味噌汁のナスなら食べた。
お味噌汁嫌いの子が重ね煮味噌汁はお代わりした。
というような重ね煮マジックが実際に起こるのです^^
例えば、カレーや肉じゃがを陰から陽の順番に重ねてみてください。
それまでよりも少ない調味料で、甘みと風味豊かなまぁるい味に仕上がりますよ^^
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