「生野菜を先に食べる」
「体調が良くない時にも生野菜だけは食べる」
という女性が増えています。
一方では、
「生野菜は身体を冷やすから良くない」
という声もありますね。
生野菜と温野菜。
どっちがいいの?
となりがちですが、
どちらが正解ということではなく、
摂る季節と体調、バランスが大切。
身体への作用を知っていると
ご家族、ご自身の健康を
守りやすくなります。
生野菜に含まれる酵素について
「生野菜はそれ自体に酵素を含むので、
消化に負担がかからない」
と言われていますが、
本当にそうでしょうか?
根拠はないようです。
食物酵素と消化酵素は
違います。
食べ物に含まれる食物酵素は、
体内に入ると
私たちが持っている消化酵素によって
消化分解されてしまいます。
私たちの身体は
必要な時に必要なだけの消化酵素を
作り出せるように上手に出来ています。
なので、
「消化酵素の量がもともと決まっていて
使い切ったらお終い!」
ということもありません。
「生野菜を食べると、消化酵素の節約になる」
生野菜もよく噛んで食べることで
消化酵素が分泌され、
消化吸収しやすくなるのです。
噛んで唾液と合わせることが大切です。
噛むという行為をしなくなると、
消化酵素の分泌も減ってしまいます。
「消化しやすいから」と
スムージーやジュースで摂るのでなく
しっかり噛んで食べたいですね。
生野菜と温野菜どちらがいいの?
《生野菜のデメリット》
生野菜は温野菜に比べて
消化、吸収されにくい
というデメリットがあります。
なので、
そのデメリットをメリットに変えて
ダイエットや断食後の腸洗いなどに
使われますね。
「ダイエット目的で生野菜を食べて
減量できた!」という方の場合、
季節、体調関係なく
生野菜を食べ続けていると、
冷えてしまい、
「生理不順になった」
「生理痛がひどくなった」
ということもあるのです。
《温野菜のデメリット》
温野菜についてよく言われる
デメリットは、
■食物酵素は加熱によって壊れてしまうということ。
これについては、
生で食べたとしても、自分自身の消化酵素によって
分解されるので食物酵素が生きたまま
腸に届くことはありません。
■ビタミンが加熱によってなくなるということ。
加熱によって破壊されるといわれるビタミン
ですが、加熱しても50~60%は残存しているのです。
さっと蒸し煮していただくと、
十分にビタミンも摂取できますね。
人類は火を使うことで進化してきた。
人類の祖先は生食でした。
火を使って調理することで、
体内で短時間で消化吸収できるようになり、
体内エネルギーを全て消化に注ぐ必要が
なくなりました。
その結果
脳までエネルギーが届くようになり、
脳の容積が2倍以上になり、
チンパンジーから枝分かれして
急激な進化をとげてきたのです。
どういう時に食べればいい?
体調が良くない時には、
普段よりも消化能力が落ちています。
そんな時は、
消化にエネルギーを使わないよう
具だくさんの味噌汁やポタージュのように
火を通した吸収しやすい形で野菜を摂る。
夏の暑い日には
ドレッシングをかけて
生野菜を食べるのもいいですが、
日本の伝統食でもある
ぬか漬けや味噌漬けというように
体内での消化吸収を促してくれる
発酵食のチカラを借りるのがおススメです。
味噌や醤油など麹を使った発酵食は
体内での消化を助けます。
そして、スゴイことに
私達の消化酵素に分解されることなく
腸まで届き、腸内環境を整えてくれます。
9月に入り、
朝晩肌寒くなってきました。
デトックス効果がある生野菜
ですが、
体内の老廃物だけでなく、
熱も一緒に奪っていきます。
秋から冬に生野菜を多く食べることは、
体温を下げて、体調不良の原因となります。
それぞれの身体へ及ぼす作用を知ったうえで
ご自身の体調、季節に合わせた食べ方をすると、
体調を崩しにくくなり、
健康に過ごすことが出来るのです^^