こんにちは。
「台所は家庭の薬箱」
重ね煮アカデミー 田島恵です。
今日は、「重ね煮」についてWEB媒体の記事の取材を受けました。 完成したらまたご報告しますね。
重ね煮との出会いや魅力、 どんな方におすすめなのかなど、たくさんお話ししましたが、 ライターさんが特に驚いたことがありました。
「え??? お味噌汁って出汁がないと作れないものではないんですか?」
和食には出汁が欠かせない。私たちは小学校の家庭科の授業でも習いましたし、 和食=出汁が決め手!と思っている方も多いのではないでしょうか?
でも、ちょっと待ってください。出汁が必須なのはもちろんですが、私たちがイメージする“出汁”とは、 実は少し違うのです。
出汁の本当の意味とは?
広辞苑によると、 出汁とは「料理の味あるいは素材の持ち味などを調整し、料理全体の味をととのえる働きをするものの総称」。つまり、出汁とは素材の旨みを引き出し、料理の味のベースとなるもの。
世界各国には、同じような役割のものがあり、 日本では「出汁」、フランスでは「ブイヨン」や「フォン」、中国では「湯(タン)」と呼ばれています。
昆布やかつお節の出汁はいつから使われていた?
昆布やかつお節を使った出汁が料理に登場したのは、実は江戸時代。それも、日常食ではなく、 料理人が特別な場面で使う高級なものでした。出汁が一般家庭で日常的に使われるようになったのは、明治時代以降のことです。 「うま味成分」が発見され、グルタミン酸ナトリウムが作られた時期と重なります。
出汁がなくても、和食は美味しく作れる!
日本には、お米や野菜、魚といった 風土の恵みがあります。これらの素材を生かし、水を使ってじっくり調理することで、素材そのものが持つ旨みがギュッと引き出されます。
さらに、日本ならではの 味噌・醤油・みりんなどの発酵調味料、海の恵みである塩を組み合わせることで、 シンプルでも深みのある味わいが生まれます。
つまり、昆布やかつお節を使わなくても、 素材そのものが最高の出汁になるということです。季節の食材を上手に活かせば、驚くほど甘みや旨みが引き出されます。基本の調味料だけで、想像以上に美味しい料理が作れる。これこそが「重ね煮」の魅力です!
「出汁がなくても美味しく作れるんですね!」
取材の中でライターさんも驚かれていました。
もちろん、昆布やかつお節の出汁の香りを 楽しみたいときには存分に使えばいい。でも、 「出汁がないと和食にならない」と思い込む必要はないのです。また、「出汁を使ってはいけない」とも思う必要はありません。
大切なのは 素材の持ち味を活かすこと 。これが、日本の本来の食文化であり、世界無形文化遺産にも認定された和食の本質。そして、それを最大限に活かせるのが、重ね煮です。
重ね煮は、出汁を使わなくても、素材の力だけで驚くほど美味しくなる調理法。
毎日の食卓で、ぜひ試してみてくださいね。