よく言われること。
「スーパーの野菜は農薬が気になるので、
皮をむいてしまうのです」
「重ね煮健康料理」の特徴の一つは
皮むきアクぬきなしの「一物全体食（いちぶつぜんたいしょく）」
農薬が気になるから皮をむきたい。
ちょっと待って！
農薬は散布されるだけでなく、土からも吸収されるもの。
野菜の表面だけでなくもちろん内側の身にも入りこんでいます。
そのうえ、皮と身の間は栄養分や旨み、甘みの宝庫。
捨てるなんて勿体ない。
まずは野菜を選ぶ力をつけること。
自分の目で確かめて安全だと思える野菜を手に入れること。
その努力は必要です。
そのうえで
ごぼうや里芋、人参は、水洗いして表面の泥や汚れを落とします。
私は野菜を洗う時は小さなタワシを使用しています。
野菜を丸ごといただくと、良いこと３つ。
１．太陽を浴びた旬の野菜のパワーを丸ごと身体に取り込めること。
２．野菜の皮に多く含まれる食物繊維が
体内の老廃物を絡め取り、体外へ排出するのを
助けてくれること。
それともう一つ。
「重ね煮」の真っただ中
鍋の中はまさしく小宇宙。
らせんの対流が起きています。
これは、生命ある食材同志だからこそ奏でられるハーモニー。
３．皮ごとアクごとの「一物全体食」だからこそ
陰と陽が調和して、甘みと旨みが引き出されること。
食べ物の生命力は、それが持っている栄養分だけに注目するのでなく
一物全体を丸ごと食べることによって
私たちの身体にも生かされていくものだと思うのです。
