前回は
「食性」に従って食べることで、その生物の種が持つ力を最大限に発揮できるというお話でした。
今日は4つの指針の2つめ「一物全体食(いちぶつぜんたいしょく)」について。
生命あるものはすべて陰陽の調和がとれた状態で存在しています。
例えば、玄米は水と光があると芽を出しますが、
外側の果皮を削ってしまうとその生命力を失い、
芽を出すことはありません。
ごぼうなどの野菜も皮、実を丸ごと全て食べてこそ、
ごぼうが持っている栄養や力を取り込み生かすことができるのです。
白米、白砂糖、豆乳、サプリメント、高機能食品なども
「一物全体食」の観点からは陰陽バランスと生命力を欠いた食品といえるのです。
現代は見た目の美しさにとらわれて、皮をむいて水にさらしたりしがちです。
野菜に含まれる栄養素は水溶性のものが多いです。
水にさらすことで本来持っている旨みや香り、甘みまで流してしまうことになり、
結果的にだしや砂糖、油を足して調理しなくてはならないことになるのです。
「重ね煮健康料理」では、自然の恵みの食材は
皮をむいたり、アクを抜いたりせず、生命丸ごと調理します。
鍋の中で調和させ「中庸」にすることによって、
それぞれの食材が持ち味をしっかり出し合い、短所を補い合い、
滋味深い味に仕上がるのです。
「一物全体食」は、
食物が持つ栄養やエネルギーを余すことなく取り込めるだけでなく
身体の陰陽バランスを整えることにつながります。